相続の開始時期と諸手続き


まず、死亡届を7日以内に市町村役場に届けなければなりません。

 相続は被相続人の死亡とともに、被相続人の財産に属した一切の権利・義務を承継します。簡単にいえば、もらえる財産(=積極財産)ばかりでなく、借金など(=消極財産)も承継しますよってことです。ですから、借金を考えるとどうしようか考えてしまいますよね。そのため、法律では自己のために相続が開始されたことを知ってから3ヶ月間は相続に関し、承認しようか放棄しようかを考える時間を与えています。

 つまり、相続があったことを知って3カ月間何もしないと借金も含めて全て承認したことになってしまうのです。ですから資産より借金のほうが多いと予測される場合には気をつけなければなりません。

ただ、資産と借金の割合が不明な時には限定承認という便利なものがあります。それは、相続によって得た財産の限度で被相続人の債務及び遺贈を弁済することとするものです。つまりプラス分だけは相続しますよってことです。

いずれにしろ3カ月が相続承認の期限ということは覚えておいてください。

 さらに、相続税の申告・納付を6か月以内に行います。相続税は控除が大きく 5,000万円+1,000万円×相続人数 が基礎控除になりますので、地価の高い所に住んでいる方でなければ、相続税を払わなくてもいいのですが、申告はしなければなりません。これが相続開始10カ月以内です。

 近親者が亡くなってそれだけでも精神的に辛いのに、これに預金の解約、不動産の移転登記などの作業も加わりますし、遺言書がないともっと面倒な作業が待っています。

                                           

相続の流れ

相続人の調査・相続人関係図の作成

相続人に疎遠になっていたり、腹違いの兄弟がいたり、認知している子がいることが予測されるような場合には、法定相続人を確定させるために被相続人の出生から死亡にいたるまでの連続した戸籍の全部事項証明・戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍謄本を収集する必要があります。あわせて法定相続人の戸籍謄本を収集し相続人関係図を作成します。

遺産分割協議書から法定相続人がもれると、遺産分割自体が無効になってしまう可能性があるので、戸籍謄本からずっと追っていく必要があります。ただ、遺言書があれば、指定された相続人は法定相続人に準ずる扱いを受け、兄弟姉妹には遺留分がありませんので、調査は比較的はやくできます。

 相続財産の確定

次は相続財産の確定です。不動産の権利書、登記簿謄本、不動産評価額証明書、生命保険証書、預金残高証明書、有価証券残高証明書等とともに、借入金明細書、ローン残高を証明するもの等が必要になります。これらも事前に遺言を作成しておけば整理がつくものなのですが、被相続人の死後、家じゅうを探し回らなければなりません。そしてこれらのものを一覧にします。

 遺産分割協議書の作成

相続財産一覧表をもとに、原則相続人が全員参加のうえで遺産分割協議を行います。遺言書がないと、ここが一番モメるところです。今まで仲のよかった兄弟が怒鳴り合いになることも珍しくありません。それを見るとつくづく遺言書の重要性を痛感します。

この協議を文書化し、相続人全員が署名・捺印(実印)します。預金口座の解約・不動産の移転登記には全員分の印鑑証明書も必要なので添付します。

 この他にも生命保険の支払手続などもあり、全部をご自分たちでやろうとすると、書類の不備などで思うように手続きできないこともありますので、きちんと交通整理をしてくれる専門家に依頼されることがよいかと思います。

以上のような作業にはかなりの時間と手間がかかることがあります。しかし、遺言書と除籍謄本、それに印鑑証明書があれば相続手続きの殆んどは済んでしまいます。遺族の手間を省いてあげる意味でも遺言書の作成は大切なことなのです。


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